今から、13年程前 。。
縦目の主治医 中森さんから、私のメールマガジンに寄稿して戴いた記事の再掲載

今回は、私がロールスを好きな理由 を

ロールスロイスと聞くと、見えっ張りの人々が乗る車と云うイメージが在る様です。
バブルの頃は良く街で見掛けましたが、最近はあまり見ません。

ロールスは本当に高級車です。
ベンツはロールスから比べたら実務的で野蛮なトラックみたいだし、セルシオやクラウンは張りぼての様です。

ロールスに関する逸話は、例えば世界最高の皮革と云われるコノリーレザーはロールスが作っていて、傷が有って車に使えない物がイタリア等のオートクチュールに売られるとか色々在りすぎて書き切れません。

はるか大戦前のメーカーですから歴史は長く、発祥はエンジン発明前の馬車時代に及びます。
馬車の時代、馬車造りの職人達でもプライドの高い人達が、贅を尽した客車を作っていました。

当時、幌が付いたオープンが一番贅沢だったらしいです。
皇室がパレードに使うあれです。(蛇足ですが、キャデラックのリムジン等のリヤピラーに、フォルテ記号みたいな形の大きなエンブレムが付いて居るのを見た事は無いですか?あれは馬車時代の名残りで高級車だと誇示しているのです。)

馬車職人達は現在ではコーチビルダーと呼ばれて(同じ意味ですが)車のボディを作っています。
ロールスもボディを数社に依頼しています。

有名なバンデン・プラスもその一つです。
彼等の仕事は素晴らしい物です。

皮の内装の仕上げの美しさ、木目の美しさをここで幾等頑張ってもお伝え出来ないと思います。
唯、体験出来る機会が在る事を祈るばかりです。

ロールスはハードのメカの部分も只タダ従順です。
それらは、熟練のホテルマンの様に乗る人を受け入れます。

そして乗る人の為に用意された空間の濃密な事!
私はロールスに乗ると何故か、国宝の京都東福寺三門を思い出します。

何年かに一度公開されるその空間は、鎌倉時代の空気がそのまま凝縮されているかの様な濃密さなのです。
あるいは、由緒正しいホテルの様なとでも云いましょうか、全てがその乗る人の為に用意されて居るのです。

贅を尽くした物とは、人に感動を与えます。
作る人の情熱が見えて取れるからです。

それは間違い無く愛、です。
ロールスに乗ると、何処までも許されている様な懐の深さと、乗る人の負担を如何にして楽にするかと云う優しさを感じるのです。

バブルが去ってロールスが減ったのは寂しい話しです。
日本は金持ちになったそうですが、ロールスを作る事も理解する事も出来ません。

大英帝国、あんたは偉い!

中森 広騎